プログラミング教育必修化はすぐに進まない理由5選。

 2020年度から小学校においてプログラミング教育が必修化が行われることが決定しています。2021年には中学校、2022年には高校でプログラミング教育の必修化が行われることも決定しています。

 しかし、教育者の立場になって考えれば、こういったプログラミング教育の必修化はすぐには進まないことが明らかです。

 今回はその理由を5つ紹介します。

働き方改革の真っ最中

 現在の教育現場は働き方改革の真っ最中です。

 みなさんの友達や親族に教師の方がいればわかりやすいと思いますが、教師は激務です。私の友達に今年から小学校の先生になった人がいますが、月の残業は100時間を超えることなんて当たり前だそうです。そして、世界的に見ても日本の教師が圧倒的に勤務時間が長いです。あるデータによると、1週間あたりの小学校教師の勤務時間は日本が2位のイングランドの48時間に大差をつけて、56時間で見事に1位に輝いています。

 このような過酷な労働環境なため、教師を志す人の数が毎年減少しており、教師の質が低迷の一途をたどっているのです。そこで、国はこの状況を改革しなくてはならないとして教育現場で働き方改革を進めているのです。

 そんな中で、プログラミング教育を必修化しようとしても、それに合わせた新しい授業方針を考えている余裕なんてありません。

教師はプログラミングの知識が0

 プログラミングって誰が使っているものでしょうか。正解はエンジニアです。ところで教師はプログラミングを使っているでしょうか。使っていません。そう、教師はプログラミングを使ったことがないのです。だから、プログラミングの知識が0です。プログラミングの知識が0の人がプログラミングを教えることなんてできるわけがありません。

具体的なことが決められていない

 2020年からプログラミング教育の必修化と聞いて、自分たちの子供は小学生の頃からプログラミングを学習し、自由自在にアプリケーションを作ったり、ウェブサービスを作ったり、人工知能を作ったりすることができるようになると思い込んでいる人がいるかもしれません。

 しかし、学習指導要領を見てみると具体的にどんなプログラミングを学ぶかは示されておらず、基本的に各学校に任せています。それに、プログラミングに少し触れてみようねといったような形で記載されている程度です。

 メディアの話を聞いていると現代的な教育改革が急速に進むかのように聞こえてしまいますが、現状は違います。だから、子供はアプリケーションも、Webサービスも、人口知能も作ることができるようにはなりません。

プログラミング教育のための環境がない

 プログラミング教育を必修化して推し進めるには、パソコンが必要不可欠です。しかし、学校が保有しているパソコンの数には限りがあります。それに、プログラミング教育に適したスペックのパソコンが用意されているかも不安です。まだ、古いバージョンのパソコンを使用している学校も多く存在します。バージョンの古いパソコンでは、プログラミングを行うと重くなってしまったり、それ以前にプログラミングをすることさえ不可能だったりということがあるかもしれません。

受験に関係ない

 プログラミング教育の必修化をしたとしても、受験には何の関係もありません。受験に関係がなければ、子供たちもそんなに身を入れて学習することはないです。小学生はともかく、中学生、高校生では受験といかにして戦うかがその後の人生に大きく影響します。そんな中、受験に関係のないプログラミングに大きな労力を割いていてはいけません。もちろん、将来プログラミングを用いた職業につくというならばプログラミングができるようになっておくことはとても重要です。しかし、それ以外の子供にとっては、数学、国語、英語、理科、社会といった優先すべきことがたくさんあります。

まとめ

 以上のような理由を踏まえて考えると、プログラミング教育が必修化になることは確かですが、そんなに大々的に教育に変化をもたらすことはないはずです。しかし、20年後、30年後IT化が進みプログラミングスキルの需要を増え続けていく中で、教育においても本格的にプログラミングが数学や英語と同じように、1つの主要教科として扱われる日がやってくるかもしれません。