土壌動物には3つの種類がある! 

2019年7月5日

『土壌動物の生態系における役割は何か』の答えは、『有機物の分解者である』です。また、土壌動物はこの有機物の分解を通して、『物質循環』に関与しています。

これらの観点から、土壌動物を種類分けすることが一般的です。

土壌動物の種類

土壌動物は機能ごとに以下の3つの種類に分けられます。

微生物食者、落葉変換者、生態系改変者

微生物食者

代表的な土壌動物

アメーバ、トビムシ、ササラダニ

細菌、菌を直接摂食

機能

微生物との相互作用が現存量、成長、分散などに影響。

落葉変換者

代表的な土壌動物

ワラジムシ、ヤスデ

デトリタス、微生物

*デトリタス:落ち葉などの生物遺体や生物由来の物質の破片や微生物の死骸、または、それらの排泄物由来の微細な有機物粒子のこと。

機能

落ち葉を粉砕し、糞で排泄する。セルラーゼなどの消化酵素を動物自身が持たず、微生物に依存。

生態系改変者

代表的な土壌動物

ミミズ、シロアリ

土壌食の動物

機能

土壌物理性、物質循環速度の変化を通して、植物や他の動物に影響する。この種類の土壌動物の死後も、動物によって形成された土壌中の巣や道などの構造が他の生物へ継続して影響を及ぼす。

*土壌物理性の例:ミミズが土壌中を動くことで土壌の隙間を大きくする。それにより、植物が根を張りやすくなる。

*物質循環速度の例:ミミズが排泄した糞は炭素を高濃度で含み、また、その炭素は分解され、二酸化炭素になりにくいことから、土壌中に炭素を溜め込むことができ、地球温暖化に効果があるとされている。

3つの土壌動物の種類の関係性

大きさ

微生物色者、落葉変換者、生態系改変者の順に生物のサイズは大きくなっている。

緯度による分布

緯度が高い場所では、微生物と微生物食者のはたらきが大きく、緯度が低い場所では、生態系改変者のはたらきが大きくなる。

シロアリは低緯度中心に分布。一方、トビムシやダニ、原生生物は高緯度中心に分布。

土壌有機物、養分の循環速度

土壌有機物や養分の循環速度は生態系改変者が多くなるほど、早くなる。したがって、生態系改変者が多い、低緯度ではその速度が速いため、土壌中の栄養分が薄くなりやすい。

土壌動物を大型、中型、小型の3種類で分ける

土壌動物の種類を大型、中型、小型の3種類で分ける方法もあります。正確に、何センチ以上が大型、何センチ以下が小型という決まりや定義はありません。ここでは、一般的な基準に従いました。

大型土壌動物

大きさ2、3センチ以上

脊椎動物:もぐら、ねずみ、へびとかげ

軟体動物:カタツムリ、ナメクジ

環形動物:ミミズ、陸生ヒル

節足動物:ムカデ、ヤスデ

中型動物

大きさ1ミリから2、3センチ程度

節足動物:トビムシ、カマアシムシ、アリ、

     ハエの幼虫、クモ、ダンゴムシ

環形動物:ヒメミミズ

線形動物:センチュウ

小型土壌動物

大きさ1ミリより小さい

輪形動物:ワムシ

節足動物:ケンミジンコ

まとめ

土壌動物の分け方は以上の2つが主流です。後者で紹介した大きさで分ける方法は簡単でわかりやすい種類を分ける方法ですが、その基準は曖昧です。同じ土壌動物でも、ある研究では大型と言われ、アルケンキュでは小型と言われていることも少なくありません。だから、今回の記事を読んで、有機物の分解や養分循環の観点から種類分けできることを理解しておいてください。